バウンダリー

~依存症者と家族を勇気づける言葉~
NEWS LETTER 「はあもにい 7号(2002年12月)」より
『バウンダリー』

『バウンダリー』

人間は、誰でも自分のたましいというものを持っている。
それをほかの人のたましいとまぜ合わせて
ひとつにするなんてことはできない。
二人の人間が行き来したり、語りあったり
親密なあいだがらになったりすることならできる。
しかし、かれらのたましいは
それぞれに自分の場所に根を下ろした花のようなものであって
どの花もほかの花のところへいくことはできない。
もしそうでなければ
自分の根を置き去りにしなければならないことになるし
そんなことができるわけはない。
花たちは、たがいに一緒になりたくて
いい香りを放ったり、花粉を散らしたりする。
しかし、一粒の花粉でも
望みどおりのところへいけるようにする力は、その花にはない。
それは風の仕事であって
風は、自分の気の向くままにあっちへ吹いたり
こっちへ吹いたりするにすぎない。

―Hermann Hesse―

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