回復の流れ

当事者が施設に入寮すれば回復すると思っていませんか?

多くの家族は当事者を施設に入寮させることがゴールになりがちですが、実は当事者の回復には次のことが欠かせません。

家族が依存症の正しい知識を学ぶこと
家族が当事者に対する適切な対応を学ぶこと

なぜなら依存症は家族の病と言われ、家族の対応が当事者の回復のカギとなるからです。

セルフ・サポート研究所では、最初に問題に気づいた家族が依存症に対する理解を深めることで、当事者を回復へと導いていきます。

たとえばこんな流れで本人の治療につながります

家族が取り組む順番は以下の通りです。

  1. コミュニケーションを変える
  2. イネイブリングをやめる
  3. 信頼関係を築く
  4. 適切なタイミングで治療をすすめる
  5. 本人がデイケアに通い出す

セルフ・サポート研究所では家族が依存症に対する正しい知識を身につけることによって当事者に接する態度を変えていきます。

具体的に取り組む内容

①コミュニケーションを変える

まずは当事者に対するコミュニケーションを変えていきます。
おそらく意識したことはあまりないかもしれませんが、これまでのコミュニケーションの多くは、「あなた」が主語になっているYouメッセージというものでした。それを「私」を主語にしたI(アイ)メッセージへと変えていきます。

依存症者と一緒に暮らしている家族は、本人が引き起こす様々な問題に巻き込まれていくうち、精神的・身体的な健全さを失い、コミュニケーションの主軸が自分から他者へと移っていってしまいます。「自分がどうしたいか」という判断基準がなくなり「あの子が(あの人)がどうか」という自分以外の他者が判断基準となっています。

また、ついつい取ってしまう小言や説教、懇願、おどし、といったコミュニケーションスタイルは、当事者との関係を断絶します。

セルフ・サポート研究所では家族教育プログラムやカウンセリングを通じて、相手を攻撃しない愛情に基づいた気持ちの表現方法を学んでいきます。

コミュニケーションを変えることによって、信頼関係の土台を築いていくのです。

②イネイブリングをやめる

イネイブリングとは、当事者に対してよかれと思ってやっていた行為が、結果的には症状を悪化させてしまっている言動のことをいいます。
「あの子のために」「あの人のことを思って」とあれこれしていることが実は当事者の依存を助長させています。

以下のチェックリストで現在イネイブリングをしていないかチェックしてみましょう。

状況を悪化させる対応 チェックリスト

□顔をみると小言や説教を言いたくなる
□つい監視、干渉してしまう
□腫れ物にさわるようにビクビクオロオロしてしまう
□お金のことを言われると今回だけと言いながらお金を渡してしまう
□本人に代わって借金の返済をしたことがある(しようと思っている)
□話し出すと感情的になって気持ちをぶつけてしまう
□無理に病院や施設につれていこうとする

チェックが1つでもついた場合は本人の状況を悪化させている可能性があります。
家族がイネイブリング行動をやめると、本人は依存行動がやめられないことの責任を誰かに押しつけることができなくなります。また、依存によって起こっている問題の責任がすべて自分に返ってくるので、現在の状況を認識せざるを得なくなってきます。イネイブリング行動をやめることは、本人が依存症に関する問題の深刻さを理解することにつなるのです。

しかし、これらをたった一人で改善していくことは非常に困難です。セルフ・サポート研究所ではカウンセリングや家族教育プログラムを通じて、イネイブリングではない、適切な対応方法を身につけていきます。

③信頼関係を築く

これまでの「コミュニケーションを変える」「イネイブリングをやめる」を通じて、当事者に対する対応が変わってきました。こうなると家族はささいな当事者の変化に対して動じなくなってきてます。

当事者は気づいていないようでも、しっかりと家族の変化を認識しています。
家族がイネイブリングをやめて、愛に満ちた一貫した態度をとり続けることで、当事者は家族に対する信頼感を増していきます。これが次への土台となります。

④適切なタイミングで治療をすすめる

この頃になると、セルフ・サポート研究所での学びと日々の実践によって、当事者に治療やリハビリを勧めるタイミングが明確に読み解けるようになっています。

すすめるタイミングは「本人が情緒的に落ち着いているとき」という良い状況のときもありますが、むしろ当事者にとって望ましくない出来事が起きたとき、例えば「隠していた借金が発覚した」「警察につかまった」「仕事を解雇された」などの一見最悪の出来事もチャンスとなります。

これまではこうした最悪の出来事のときはパニックに陥って、当事者を責め、自分を責め、お互いにとって何一ついいものを生み出しませんでした。
しかし、依存症は病気であることを学び、どのような自分でいることが当事者を支援することにつながるのか学んだ今となっては、落ち着いて対応できるようになっています。

具体的には、当事者に対して「あなたは大切な人である」ということを伝え、アイメッセージで相手を責めずに自分の気持ちと治療に関する選択肢を提案します。

これには練習が必要です。多くの家族がセルフ・サポート研究所のカウンセリングや家族教育プログラムの中で練習し(ロールプレイの実施)家庭で実践してきました。不思議と練習するとできるようになります。

①〜④を身につけるためには最低3ヶ月間は必要です。これまでの何十年と使ってきた関わり方のクセを変えていく作業なので、気が向いたときに勉強する、というスタイルでは身につけることはできません。こうしたことからセルフ・サポート研究所ではご家族の方に集中的に3ヶ月間通っていただいております。

当事者は治療のために3〜6ヶ月間毎日勉強し、自分の内面を見つめる作業を繰り返します。依存症は家族の病です。当事者だけが努力すれば解決する問題ではありません。先に家族が勉強して変わっていくことが当事者を勇気づけるのです。

⑤本人がデイケアに通い出す

こうした流れで治療をすすめられた場合、当事者は「自分はどうしたいのか」を考えた上で行動を選択できます。これまでは脅しの末、懇願の末の行動だったので、責任をすぐに家族に転嫁できました。しかし、今回は自分で選んだ治療です。家族の穏やかさ、愛と自信にあふれた日々の振る舞い、こうした姿に触れてきて「家族も変わってきたのだからきっと自分も変われるに違いない」と当事者は勇気づけられて治療へと向かっていきます。

 

ある当事者が言いました。

自分が回復できたのは、親が自分をあきらめないでいてくれたからだ

私たち家族は学ぶことによって変わることができます。
本来の愛に満ちた姿を取り戻すことができるのです。
あきらめないで一緒に取り組んでいきましょう!

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家族の働きかけで当事者を治療につなげていきましょう

当事者の回復には次のことが欠かせません。

家族が依存症の正しい知識を学ぶこと
家族が当事者に対する適切な対応を学ぶこと

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