~依存症者と家族を勇気づける言葉~
『聴いて』
聴いて
「聴いて」と頼んだ時、アドバイスをはじめるあなた、
それは私の頼んだことではない。
「聴いて」と頼んだ時、
そんな気持ちになっちゃいけないよと理由を述べるあなた、
私の気持ちを踏みにじっている。
「聴いて」と頼んだ時、
私の問題を解決するために何かしなくては、と感じるあなた、
もうあなたには、なんにもできない。
「聴いて」
私の頼んだのはそれだけ。
何も言われずに、何もせずに、ただ言うことを聴いて。
アドバイスは安い物。
20セント出して新聞を貰えば
人生相談やあれやこれやの相談コーナーのアドバイスが手に入る。
そもそも、自分のことは自分でできる。そんなに無力な私ではない。
勇気を失い、たじろいでいるかもしれない。
けれど、無力ではない。
私にできること、私がやるべきことを、あなたがしてくれる時、
私の恐れや情けなさは腫れ上がる。
けれども、どんなに理屈にあわないような感情でも
それが紛れもない私の感じている感情なんだという
素朴な事実をあなたが受け入れてくれる時、
私はあなたに納得してもらおうとする努力をやめて、
この不合理な感情の陰に何があるのかを理解する仕事にとりかかれる。
背後にあるものが理解できたら、不合理な感情にも意味のあることが判る。
それがはっきりしたら
答えだってはっきりするし、アドバイスなんかいらない。
たぶんそれだから、時に祈りが人の役に立つのだろう。
だって神様は耳が聞こえないし、
神様はアドバイスしようとも物事を直そうともなさらないのだから。
「あの人達は」ただ聞いて自力でなんとか解決させるだけ。だから耳を傾けて私の言うことを聞いてください。
作者不詳