【薬物依存の体験談】大麻と覚せい剤の所持で逮捕・回復につながるまで

Nさん・大麻と覚せい剤の所持で逮捕

 私は過去10年間に二度、大麻と覚せい剤の所持・使用で逮捕され、二度目の時には、1年8ヶ月の実刑判決を受けて懲役に行ってきました。

 一度目の逮捕の時は、私選弁護士の費用も、保釈金も親が出してくれましたが、しっかり反省もせず、保釈された当日に再使用していました。しかし二度目の逮捕をきっかけに、私の母はセルフ・サポート研究所に相談をしたようで、「今回は自分で責任をとりなさい」と言われ、弁護士は費用の掛からない国選弁護士になり、保釈もありませんでした。
そのため、留置所にいた2ヶ月半が私にとって大変意味のある時間になりました。

母親が変わって、いろいろなことが通用しなくなった

 セルフ・サポート研究所に通い始めた母は、個別カウンセリングや家族教育プログラムを受けながら、当事者への対応を学び、今までとは違うアプローチをしてくるようになっていました。

 具体的には「自らの人生に責任を持って生きるように」ということでした。

 面会や手紙で「頼みごと」をしてもセルフ・サポート研究所と相談してから、と返事が返ってくるのも母の変化でした。

 そのように第三者に相談されることで、今までなら母だけを言いくるめれば良かったことが通用しなくなりました。しかし、その事で母と私の関係の異常さに私自身が少しずつ気付くことが出来るようになったのです。

出所後の計画を立てるものの・・・

 当時、私は約20年間の薬物使用生活を送っていたため、健常者の友人とも疎遠になっていて普通の生活のイメージもわかず、生涯薬物を使っていこうと思っていました。

 しかし、逮捕をきっかけに「出所したらまったく新しい生き方ができるかも・・・」とも思い始めていました。

 そして「出所したら母にまとまった金をもらって・・・あーして・・・こうして・・・」と計画を立てるのですが、今考えるとやはり狂気の発想であり、とても正常な考えではありませんでした。

スタッフとの面会

 留置所生活が2ヶ月経ったころ、母が「セルフ・サポート研究所のスタッフが面会に来てくれるけど会ってみる?」と言うのですが、ただの勧誘なら嫌だと思い、一度目は断りました。

 しかし、母から「今後、あなたはどうしたいのかしっかり考えて私に伝えてほしい。その中で話し合って出来ることは協力するから」と言われていたので、何か話でも聞けたらという軽い気持ちで面会に来てもらいました。

 会ってみると、とても物腰が柔らかく落ち着いていて、当事者には見えませんでした。そこで薬物歴を聞いてみると、かなりのヘビーユーザーで、長い期間、いろいろな施設に関わって回復したと話してくれました。

出所後の回復に希望が持てた

 私は、薬物依存から回復するには何をどのくらいの期間やればよいのかを知りたくて彼に聞きました。すると、「どこが回復の終点かなどは決まっていなくて、人それぞれです。でも、一生付き合っていく病気ですから・・・」と言われてちょっとガッカリしました。

 プログラムには、もっとハッキリとした段階があって、それが終われば社会復帰できるのかと思っていたからです。しかし、彼が最後に言ってくれた「出所したら一度来てみて下さい。決してあなたは一人ではなく、同じ悩みを抱えた人達や、自分が待っています。一緒にゆっくりやりましょう」という言葉がずっと頭に残っていて、出所後の不安を和らげたと同時に楽しみを与えてくれました。

今では・・・

 出所間際の皆が不安になる時期、自分は、出たらセルフ・サポート研究所に行くんだと思う事で不安が解消されました。そして出所の翌日から毎日朝10時半から夕5時までセルフ・サポート研究所に通う日が始まりました。通所プログラムを9ヶ月過ぎた最近は、スタッフの綿密なサポートに助けられ、社会復帰に向けての取り組みに入っています。

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