【当事者の体験談】薬物依存症からの回復ブログ~大麻・覚せい剤・危険ドラッグ依存症による逮捕、そしてセルフ・サポート研究所での回復~

薬物依存症からの回復~大麻・危険ドラッグ・覚せい剤依存~

    私が初めて出会った薬物は18歳の頃、友人にすすめられた大麻でした。当時は自分が薬物に手を染めることなど全く考えもしませんでしたが、興味がなかったといえば嘘になります。興味本位に大麻を使用した私は初めて体験する多幸感・高揚感から、みるみるうちに大麻にはまり、さらなる刺激を求めMDMAやLSDなど様々な薬物に手を出すようになりました。
    そのうちに私は「脱法ハーブ(後に危険ドラッグと呼ばれ包括規制される薬物)」に出会いました。法に触れることなく、大麻より安価で確実な多幸感・高揚感が得られることから、使用量・使用頻度は増えていきました。
 当初は社会生活や人間関係の中から感じるストレスを緩和するために使っていたものが習慣化し、いつしか手放せないものになりました。次第に食事・睡眠を取ることなく使用し続け、仕事も遅刻や欠勤が目立つようになります。幻覚や妄想、特に幻聴に襲われるようになり、転職を繰り返すようになり、『生活のための仕事』ではなく『薬物を使うための仕事』をする毎日に変化していきました。薬物への依存症状が悪化するに伴い、不可思議な言動や自傷行為が見られるようになったため、母親が調べてきた入寮型の回復施設へ入寮することになりました。この時私の母親は、私の薬物使用を何とか止めたいという気持ちからか監視、過干渉になり、私の暴言や不可思議な言動に怯え、大変疲弊していたように思います。
 しかし薬をやめる気もなかったため、当時の私は入寮施設の環境にも馴染めるはずもなく、すぐに施設を飛び出し、住み込みの仕事を見つけ働くようになりました。
 この頃、危険ドラッグに包括規制がかかり購入が困難になってきたことから、私は覚せい剤に手を出すようになります。今までにはない快感からすぐに常習者となり、覚せい剤を購入するためのお金が、給料では追い付かず借金をしてまで覚せい剤を使用し続ける日々を送るようになります。
この時私は36歳。気付けば18年もの間、私は薬と共に人生を歩んできてしまったのです。

覚せい剤取締法違反の罪で逮捕の後、保釈

 2017年11月に私は、覚せい剤所持・使用の罪で逮捕されました。
 幸か不幸か18年もの間、逮捕されることなく薬物を使い続けてきました。もちろん良くないことだとは分かっていましたし、薬物使用により家族や友人、職場やパートナーに心配や迷惑をかけていることも当然認識しておりました。しかしその罪悪感や後悔の念にかられると平常心ではいられなくなり、更に薬物への欲求が高まり、ますます薬物依存が進行しました。
 逮捕後、留置所内で、これまでの薬物に染まりきった18年間を振り返っていました。逮捕されたことで犯した罪の重さを実感し、留置所の外にいる家族や友人、社会の人々が普段と変わらぬ生活を送っていると思うと、いたたまれない孤独や疎外感、さらには罪悪感に苛まれたことを今でも鮮明に覚えています。とりわけ、予想外の逮捕で連絡も取れずに職場を休まざるを得なかったため、職場に戻らなければという焦りや失職するのではないかという不安に押しつぶされそうになりながら日々を過ごしていました。

「もう薬をやめたい。薬に頼らない人生が送りたい。」
そう留置所内で思いました。これが私の「ターニングポイント」でした。

 留置所生活が1週間を過ぎたころ弁護士の森野嘉郎先生が面会に来てくださいました。
それまで、私には国選の弁護士さんがついていたのですが、母が私の回復のことを考え、私選の弁護士さんに依頼してくれたのです。森野嘉郎先生はセルフ・サポート研究所の協力弁護士でもあり薬物事件を数多く担当されている弁護士さんです。私は初犯であったため、過去の判例から、保釈され裁判では執行猶予になる見込みがありました。森野先生は、薬物の回復を目指すのであれば保釈の後、「セルフ・サポート研究所」に通いながら裁判の準備をしてはどうかとおっしゃいました。今回は入寮ではなく通所で、尚且つ母と共にプログラムを受けられる施設で回復を目指すプランを提案してくれたのです。
 保釈後はすぐに仕事に戻り、週に1~2日程度施設に通うつもりでおりましたが、とりあえず一度セルフ・サポート研究所に親子で面談に行くことを決めました。

依存症回復施設『セルフ・サポート研究所』にて面談

 留置所生活が20日を過ぎ私は保釈されました。身元引受人になっていた実家の母のもとに帰ると、母は「おかえり、ご苦労様。大変だったね。」といって私を迎え入れてくれました。逮捕のことや薬物使用に関して咎められることを覚悟していたので、優しい母の出迎えには涙が出る思いでした。
 翌日、セルフ・サポート研究所代表で臨床心理士の加藤先生と三者面談を行いました。
加藤先生からは、まずは一週間、週に五日間通い、経過を見た上で、できれば三か月間しっかりと薬のやめ方を勉強すると同時に、通院などで体調面のケアもしつつ、裁判を待つプランを提案してくださいました。また、家族支援を通して、当時者支援につなげる施設であるという説明があり、母も週に一度の通所に同意し、共に回復を目指すことになりました。
 また面談の後に、薬物依存から回復し、現在はリカバリングスタッフとして常勤しているスタッフの方と話す時間をいただきました。そこには私と同じように依存症からの回復のために通所している同じ立場の方もおり、薬物を使用していたころの様々な体験や喜び以上に苦しみなどを心から分かち合うことができました。それぞれの逮捕の話はもちろん、それぞれの薬物使用の具体的な話は、これまで誰にも話したくない話で、それぞれ一人で抱え込んでやってきました。
しかしその場では気兼ねなく何でも話すことができ、当時の心境や将来への不安、薬物への欲求など共通の話題で盛り上がり、気持ちがとても楽になったことを覚えています。この日、様々な不安を抱えながらも通うならセル・フサポート研究所で回復を目指そうと決心しました。

依存症回復施設『セルフ・サポート研究所』での通所生活

 セルフ・サポート研究所では午前中はリカバリングスタッフの方と依存症の知識や「12STEP」といわれる回復プログラムを勉強し、午後は依存症者のご家族の方と一緒に加藤先生の行う家族支援プログラムに参加します。
午前中に行われるスタッフの方との勉強をすすめていく上で、私は薬物依存症の他に食べ物に依存する「摂食障害」という依存症ももっていることが分かりました。薬物依存も摂食障害も原因は、いずれも自分の性格上の欠点からくる社会的な生きにくさやストレスを解消するためであり、依存症からの回復には「12STEP」という回復のプログラムによる人間的な成長と、薬物からの回復を決心した仲間の集いが必要なことを知りました。
午後は加藤先生のプログラムに依存症者に関わるご家族の方と一緒に参加しています。気付いたことは「依存症者の気持ち、依存症者に関わる家族の気持ち」の相互理解を促進する場であり、大変貴重な体験ができるということです。また、家族や社会の一員としての責任と貢献の重要性を学び、それを通して依存症という病気により失っていた『自分らしさ』を取り戻す機会をいただいたと思っています。
 通所している間も度々摂食障害の症状や薬物使用の欲求があり、プログラムを受けられないことがありました。かつての私は、そのような症状と一人で向き合い、自分一人で解決しようとしてきましたが、加藤先生やリカバリングスタッフの方、一緒に学ぶ仲間やご家族の方の支援で「人の中で解決する」術を学び、何とか半年間通い続けることができました。今まで私は薬の使い方を学んだので薬物を使い続け、やめ方を知らなかったので薬物を使い続けてきましたが、セルフ・サポート研究所につながったことで薬物のやめ続け方とそれ以外の悪習慣を手放す方法を学んだので、薬物使用から離れ、摂食障害からも解放され、新しい生き方を手に入れたように思います。
また、私の母も私と一緒に午後のプログラムを受けることを決断し、当事者との向き合い方を学びました。以前の母は共依存で私の領域にまで踏み込んでくることが、しばしばありました。セルフ・サポート研究所で学んだことで、現在の母は一番身近な『支援者』として私との距離を適正に調整しつつ、私を支援してくれています。また、母にとってもセルフ・サポート研究所のプログラムに参加し続けることで、同じ依存症者のご家族と悩みを共有し、不安や恐怖といった陰性感情から解放され、笑い合え、大きな安心を得られて良かったと話しています。
 私たち親子は加藤先生のファシリテートするプログラムに半年間参加することで、親子のコミュニケーションが改善しました。お互いの理解や信頼を深めて、協力しあえるようになったと思いました。適切な距離を通して家族の本来のあり方を学ばせていただいたと思っています。

今では・・・

 現在私は、セルフ・サポート研究所に通いながら、社会復帰を目指し、プログラムを学び続けると同時にNAと呼ばれる薬を断ちたいと思う相互援助グループに参加しております。
 依存症からの回復はとても簡単ではないと思っており、まだ回復と成長への一歩を踏み出したばかりです。自分自身の回復のためにセルフ・サポート研究所での学びや相互援助グループでの活動を通し、断薬や、より良き生活のための解決策を実践し続けなければなりません。健全な社会生活を送っていけるよう『今日一日』という言葉をスローガンに一日一日、最善を尽くせるよう生きていこうと思っています。

 また、自分自身の回復と成長のために、自らの薬物依存の経験を通して、今まさに苦しんでいる仲間や、そのご家族のためにメッセージを届け続けたいと思っています。

 今回綴った、このつたない体験談も、仲間やご家族の方の一助になれば幸いです。最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

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