依存症者に対するパターンを変えるためのワーク・ペアで誘導する

今回は、自分にしみついたパターンを変えていくためのワークです。2人1組でおこないます。

片方の人が目を閉じたまま立ち、その人の背後にもう片方の人が立ち、両手を相手の肩にあてます。この状態から、3つのパターンで相手を誘導して歩かせてみましょう。

①声をかけながら、両手で誘導する

まず最初は、目を閉じた人に声をかけながら、誘導します。
「ここで右に曲がります」「段差があるのでゆっくり」など、スムーズで安全に歩けるように話しかけましょう。

②声を出さずに、両手で誘導する

続いて、声を出さずに相手を誘導してみましょう。①と同じように両手を使い、スムーズに歩けるように導いていくのですが、言葉は使いません。①のパターンとはどんな違いを感じるでしょうか?

③片手で誘導する

最後に、片手で相手を誘導してみましょう。片手の場合はいろいろな方法がありますが、まずは、誘導する人の片腕を、誘導される人が握った状態で、誘導する人がリードしながら歩いてみて下さい。

お互いに感じたことを話し合う

3つのパターンを体験したら、お互いの役割を交代して、同じように3つのパターンを体験し、お互いに感じたことを話し合ってみましょう。
「目の見えない状態で歩く」というのは、目に異常のない人にとっては普段あまり経験のないことです。何も見えない状態で歩き回るには、自分を誘導してくれる人を信じて全てを委ねることになります。

1のように、両手を使って声をかけながら誘導された場合は、目に見えない情報を常に言葉で伝えてもらえるので、何も見えないなかでも安心を感じられるはずです。しかし、一方で誘導する側の不安が先行すると過保護、過干渉に陥りがちです。したがって誘導される側も誘導者に依存的になりはしないでしょうか。

2のように、言葉の情報がまったくない状態だと、いくら両手で誘導されていても、どこかぎこちない動作になったり、どの方向に、どのくらいの歩幅で進めばよいのかが分からず、不安を感じることがあるかも知れません。また一方で、声を出して誘導できないからこそ、より慎重に、より丁寧に導こうとするのではないでしょうか。誘導される側も、言葉の情報がない分、落ち着いて集中力を研ぎ澄まし(誘導者の手からのメッセージを的確に読み取ろうとする)、より主体的に判断、選択することになるでしょう。

3の場合は、1、2とさらに違います。誘導される側が誘導する側の片手に手を置いてリードされてみると、両者が曲がったり止まったり、歩き出したり…といった動きが俄然スムーズになり、するすると体が動くはずです。

両手で誘導されるのと、片手で誘導されるのは何が違うのか?
明らかなのは、「体に触れる部分が多いか少ないか」ということです。

自分は良かれと思ってやっていても・・・

目の見えない人を、両手を使って手厚くサポートしているつもりでも、相手はかえって不自由を感じる部分がある。片手という1点だけでリードすると、誘導される側も自由に動かせる部分が増えて、快適さを感じるようになる…。

参加された家族の方々は依存症者に対する、家族支援のあり方をとらえ直す機会になったのではないでしょうか。

参加者の感想

「片腕でリードされるようになった途端、とても歩きやすくなりました。片手が空いているので、障害物などにも対処しやすく感じました」

「両手を使って、無言でリードされている時は、神経を集中しないといけなくて、不安を感じました。片手になった時は、安心感がありながら、行動半径がさらに広がり、自ら進んで歩きたくなるくらい、自発性が引き出されたように感じました」

「依存症になった子供を何とかしたくて、無理やりに引っ張るような接し方をしていたことが思い出されました」

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取材編集:佐藤勝

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