家族に必要な心構え・「させたい人」と「させられる人」

今日は「させたい人」と「させられる人」のワークをご紹介します。

「早くお風呂に入りなさい」

子供の頃、夜の時間になると、このように口うるさく言われたのを覚えている方は、多いのではないでしょうか?

お風呂に入れと言われても、子供が素直に従うことはまれで、

子供:「あとで入るよ」
親:「いいから早く入りなさい!」

といったやりとりになるケースも少なくないでしょう。

親の方は、「湯沸し器のガス代がもったいない」「早くお風呂を済ませて寝て欲しいのに…」と、イライラしてしまいますし、子供は子供で、宿題やテレビなどに集中しているところを遮られたと感じて、お互いに相容れないやりとりになってしまいます。

「自分が親になった時には、このようなことはしないぞ…」と思っていても、いつの間にか無意識に同じことを自分の子供や配偶者にしてしませんか?
自分が幼い頃に刷り込まれたパターンは、自分の子供へと世代間伝播する可能性があるのです。

■2人1組で「お風呂」のやりとりを再現する

大人になった今、改めてこのやりとりを再現してみましょう。
2人1組でそれぞれ向かい合わせに座って、片方は母親または父親の役(A)、もう片方は子供の役(B)になり、親から子供に、「早くお風呂に入りなさい」と声をかけ、アドリブでやりとりします。

A:「早くお風呂に入りなさい!」
B:「あとで入るから、先に寝てて!」

…気がつけば、子供の頃のようにイライラをぶつけあったり、咬み合わない会話になっているかも知れません。
もしそうなったら、親役の方が、話の視点を「お風呂に早く入るかどうか」から、「お風呂に入って楽しい、気持ち良いと感じたこと」にシフトさせて、もう一度やりとりしてみましょう。

A:「あー、気持ちの良いお風呂だった。入浴剤も色々あるから、好きなのを使ってね」
B:「そうなの? わかった。自分の好きなオレンジの入浴剤もあるかな…」

…言い方を変えるだけで、子供役がお風呂に関心を向けるようになりました。この違いは何なのでしょうか?

■依存症者の家族に必要な「心構え」

最初の、「早くお風呂に入りなさい」という言葉は、ほとんどの場合、「早く家事を終わらせたい」「ガス代を節約したい」というように、自分(親)の都合から発せられます。
相手を自分の思い通りに「◯◯させたい」と思うコントロール欲求は、誰もが持っているものです。

一方、次に視点を変えた話し方をしたケースでは、親が自分の「喜び」を伝えることで、子供の共感を引き寄せています。結果として、円滑なコミュニケーションが取れて、子供もすんなりとお風呂に入ってくれるはずです。
「お風呂が気持ち良かったから、あなたも楽しんで」と、自分にとっての「喜び」を相手と共有できる状態。そこにとどまっておくことが大切です。

自分の子供が薬物などの依存症になってしまった場合においても、まず親の側から行動を変えていくことの方が重要になるのです。
セルフサポート研究所のプログラムに参加されている家族の方は、このようなワークを通して新たな視野を発見し、回復に向かう意欲や行動につなげていらっしゃいます。当研究所のプログラムに関心のある方は、気軽に下記よりお問い合わせ下さいませ。

取材編集:佐藤勝

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