自分で答えを見いだしていく「いすを使ったチェアワーク」

チェアワークは、依存症当事者の家族の方が、当事者や家族の相互関係を客観的に顧みて、問題解決のための「気づき」を探る、体験型のワークです。あらかじめ用意された正解を探すのではなく、実施する本人にとっての「答え」を、自分自身の力で見つけていく点が大きな特徴です。

自分と当事者、配偶者など、家族の人数分の椅子を用意

まず、自分と当事者、配偶者など、家族の人数分の椅子を用意します。椅子をそれぞれの家族に見立て、現在のお互いの関係がどのようなものか、それぞれの向きと位置を決めます。
(この例では、息子が当事者のケースとします)

家族関係を振り返る

最初は自分自身の位置にある椅子に座り、自分と当事者、自分と配偶者…というように、家族との関係がどうだったかを振り返ります。

特に、当事者との関係を顧みる時には、自分がどのような態度で本人と接していたかについて振り返るだけでなく、一緒に暮らしてきたなかで嬉しかった思い出、辛かった思い出など、さまざまな思いを語ることになります。

違う立場の椅子に座る

次に、配偶者の椅子に座り、配偶者の立場から自分を見た場合、何を感じるか? について話します。
これまでの夫婦の関係だけでなく、依存症と向き合う上でお互いが協力できていたかどうかについても、振り返ることになるでしょう。

そして、当事者(この例では息子)の席に座ります。
今の自分の気持ちを当事者に話したとしたら、当事者はどう受け止めるでしょうか?
場合によっては、本人を傷つけた、あるいは本人から傷つけられたような、辛いやりとりの記憶がよみがえってくるかも知れません。

自分の席に戻って客観的に自分を振り返る

もう一度、自分の席に戻り、それぞれの立場から見た自分について考えてみます。
「もっとこうすれば良かったのでは?」「もしかすると、自分自身の幼少期の体験が、家族との向き合い方に影響しているのかも…?」と、さっきと違った気づきが見えてくるかも知れません。
さらに、「自分は当事者や配偶者からどう見られたいか? どんな言葉をかけてもらいたいか?」についても考えてみます。

新しく自分の親友の椅子を置く

さらに、自分の椅子のそばに、自分のことを理解してくれる、親友の立場の椅子を置きます。その位置から家族全体を見て、どんな言葉を自分にかけてあげたいでしょうか?

「大変だね、頑張ってね」と励ましたくなったり、「もっと力を抜いて、気楽になってね」とアドバイスしたくなるかも知れません。

再び自分の椅子に戻り、これからの自分と家族がどうあってほしいか、どうなりたいか、について考え、話します。
そうして、理想の状態を達成した、未来の自分の場所に新しい椅子を置きます。その位置から現在の自分に向かって、言いたいことは何でしょうか?

――そこから出てきた言葉は、きっとその未来につながるヒントが含まれているはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
家族の問題を解決していくには、「こうありたい」という未来のイメージを明確にしていき、「いま何をしたいか、するべきか」を考えることが非常に重要です。チェアワークは、身体を使ってその行程を体験し、五感を使って知っていく行為といえるでしょう。
(他にも、過去の自分や、自分の両親など、さまざまな立場の椅子が登場しますが、本記事では割愛しています)

チェアワークを体験した方からは、「目からうろこのような体験で、感動した」「見ている側も、自分の体験に重なるところが多く、共感した」「依存症当事者も、尊敬と信頼をもって接するべき人間だということが、よく分かった」といった声が寄せられています。

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取材編集:佐藤勝

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