~依存症者と家族を勇気づける言葉~
NEWS LETTER 「はあもにい 33号(2008年7月)」より
『病よ ありがとう』
『病よ ありがとう』
もし 私が健康であればあなたとの出会いはなく、病気であるがために、あなたとの出会いがありました。
もし 健康なままであれば、多くの人の 心の思い、痛み、苦しみ、そして悩みなどを知ることが、できないばかりか、健康であることを、幸せの条件として誇っていたことでしょう。
そこには 他者への思いやりもなく、相手の置かれている状況への理解すら出来ない渇ききった心のままで、二度とない貴重な日々を、無意味に過ごしていたと思います。
あなたとの心温まる出会いから、わたしは、多くの学びをいただき、感謝しています。
一つ、一つの出会いが輝きを増し、その輪が広がってゆく時、それは目に見えないものへの希望となり、また心の糧となって、生きる力を与え、わたしの人生の終わりの日に、きっと豊かな実を結んでくれることでしょう。
わたしは確信しています。
多くの出会いよ!有難う。「いつも喜んでいましょう。
絶えず祈りましょう。
すべてのことについて感謝しましょう。」小野春子
小野春子さん プロフィール
51歳で、乳癌末期に始まり、狭心症、膠原病、肝臓癌…70歳で全盲(手術で当時1.5の視力回復)。
薬害による顎関節溶解など難病を患いながら、当時はマイク無しで講演したり歌を歌ったり「各地の難病者に希望を届けたい」と精力的に全国を駆け巡りボランティア活動。
「生かされた命で今を精一杯生きる」ことを実践されていた方。
弾力包帯した手に色鉛筆をくくりつけて描かれた絵と文章からは、今でも魂の声が響いてきます。
2013年5月27日、明け方に帰天。享年84